はじめに:文系でもエンジニアになれる時代
「文系出身でも本当にエンジニアになれるの?」
そんな疑問や不安を抱いていませんか?
近年、IT業界では人手不足が続き、需要がますます高まっています。
それに伴い、文系出身のエンジニアも増加中です。今では、未経験でもポテンシャルを重視した採用が増えており、文系からエンジニアを目指すハードルは確実に下がっています。
一方で、
「文系だと理系出身者には敵わないのでは?」
「文系は下請けの仕事ばかりになるのでは?」
そんな不安を感じている方も多いかもしれません。
確かに文系出身者がエンジニアになると、初めは単純な業務を任されることもあります。
しかし、これは理系出身者でも同じこと。重要なのは、業界知識を事前に身につけ、適切な準備をすることです。そうすれば文系出身でもエンジニアとして最前線で活躍できる可能性は十分にあります。
本記事では、
- 文系出身者がエンジニアとして活躍できる理由
- 文系からエンジニアを目指すのは本当におすすめできるのか
といったポイントを、率直に解説します。
この記事以外にもIT関連で役立つ情報を発信していますので、
ぜひ活用していただき、エンジニアとしての可能性を広げていってください。
この記事を読んだときのゴール
- 文系出身でもエンジニアとして通用する/しない判断材料を得る
- エンジニアになるメリット・デメリットを把握し、次の行動に活かせる
- 自分に向いているかどうかの自己分析ポイントが明確になる
- 次のステップ(ロードマップ記事)への動線が理解できる
市場ニーズ
エンジニアの市場ニーズは言うまでもなく以下の通り申し分ありません。
- IT人材不足 (2025年予測)
- データ分析領域の人材不足 (2025年時点)
- AI時代到来
・IT人材不足 (2025年予測)
経済産業省が平成30年度に実施した「IT人材需給に関する調査」では2030年には、国内IT人材が約45万人不足すると予測されています。(https://humdev.jp/report-it2025)
ひとりごと
将来独立を考えている人(もちろんそうでない人)にもITスキルは様々な場面で必要になってきます。
例えば、カフェを経営する中で、
・ホームページ作成
・注文手段の効率化
・棚卸しの効率化
・経営戦略サポート
など、さまざまな場面でITを活用し、より良いカフェを経営することができます。
・データ分析領域の人材不足 (2025年時点)
データサイエンティストやデータアナリストは需要が急拡大しており、2030年には約79万人の人材不足が予測されています。
ひとりごと
データの価値を「現在の石油」と表現することがあります。たとえば、中国のDeepSeekが爆発的に成長したのも、人口の多さに比例して膨大なデータが集まったことが大きな要因だと言われています。そして、このデータを扱う「データ分析」と、注目を集める「AI(機械学習)」は密接に繋がっています。
・データ分析:過去の事実を分析し、何が起きたかを解明する
・AI(機械学習):データから学習し、未来に何が起きるかを予測する
このように、データ分析のスキルはAI技術の土台となります。そのため、データ分析を学ぶことは、単にAIをツールとして使うだけでなく、その仕組みを理解した上でAIを使いこなせる人材になるための第一歩と言えるでしょう。 AI時代において、データ分析能力は非常に重要で、私自身もとても興味深い分野だと感じています。
・AI時代到来
世界時価総額ランキング企業の世界時価総額ランキングもトップはIT企業がズラリと並んでいます。トップの技術者を目指さなくても、エンジニアで技術の仕組みを学ぶだけでも今後AI世界に役立ちます。
ひとりごと
AIは相棒!
ChatGPTをはじめとするLLMの登場は、エンジニアを含めた多くの仕事で働き方を根本から変えようとしています。実際に現場でもChat GPTのようなAIを使用してコーディングしています。また、「SoftBank World 2023」(下記リンク)で孫正義さんもAIがもたらす今後について話しているので、参考にどうぞ🐟
文系出身の強み・弱み
強み
- コミュニケーション力
- 文章力・ドキュメント作成能力
- ビジネス視点・課題発見力・多角的思考力
- 英語力
- コミュニケーション力
- 開発や研究を行なっていく中で
連携不足や共有漏れ、認識合わせのようなことが発生することがあります。
コミュニケーション力でそれらを防止や改善して貢献することができます。 - 仕事していく中でコミュニケーション力は必要になります。
近年、「技術力があるが、コミュニケーション力がない」人よりも
「技術力はないが、コミュニケーション力がある」人を採用している動きもあります。 - 上に行けばチームのリーダーやPMにもなり、よりコミュニケーション力は必須になってきます。
- 開発や研究を行なっていく中で
- 文章力・ドキュメント作成能力
- エンジニアはプログラミング以外にも仕様書や設計書、マニュアル等のドキュメントを作成する必要があります。(上に行けばパワーポイントのような提案資料作成する人も多いい)
- 極端になってしまうかもしれないですが、プログラミングは言語なので
文章力があれば良いコード(みんなが理解しやすい)を書けることもあります。
- ビジネス視点・課題発見力・多角的思考力
- プログラミングにエラーは付き物です。エラー時の課題発見力
- 文系で培ったリベラルアーツ的な素養により、新しい技術を既存業務にどう適用するかのアイデアが豊富
- 技術が凄くても需要のないものを開発してもお金にならない
- システム開発を委託された際に工数や提案
- 言われたことだけを実装するプログラマーではなく、依頼された内容の意図を読む力、
また、それであればこちらが良いと提案ができる。 - AIの影響で技術的な深い知識よりも、ビジネスニーズを理解し、適切なAIソリューションを組み合わせる能力が重視されているため、文系出身者にとってもチャンスの大きい分野です。
- これからの時代に求められるのは、単にプログラムを書ける技術者ではなく、
大規模言語モデル(LLM)のようなAIを「賢く使いこなし」、
複雑なビジネス課題を「人間ならではの視点」で解決できる人材です。
ひとりごと
技術のスペシャリストとして、トップ企業には並外れた才能と経験を持つ優秀な人材が揃っています。学生時代にIT経験のなかった文系出身エンジニアが、純粋な技術力だけでそうした専門家と競うのは、正直なところ容易ではないでしょう。しかし、文系出身者にはもう一つの強力な道があります。それは幅広い分野を横断的に理解する「ジェネラリスト」としての活躍です。多様な知識を組み合わせ、技術と非技術の橋渡しができる人材は、専門性の高いエンジニアと協働することで大きな価値を生み出します。特に複雑化する現代社会では、一つの専門領域だけでは解決できない課題が増えています。技術だけでなく、ビジネス感覚やコミュニケーション能力、異なる分野の知識を統合できる視点を持つジェネラリストは、これからの時代においてますます重要性を増すでしょう。
文系出身エンジニアの強みは、まさにこの点にあると思います。
- 英語力
- プログラミング言語は英語ベースなので、言語仕様や公式ドキュメントの理解が速い。
- グローバルなOSSやAPI情報を直接調べられる。
ひとりごと
エンジニアは常に頭の中だけでコーディングしているわけではありません。実際の開発現場では、関数やライブラリの使い方を調べながら作業を進めることが一般的です。この情報収集プロセスにおいて、英語力が大きなアドバンテージとなります。日本語のサイトだけに限定されると、入手できる情報は世界中で共有されている膨大な技術情報のごく一部にすぎません。英語で書かれた海外のドキュメント、フォーラム、ブログ記事などにアクセスできることで、最新のトレンドや解決策、詳細な事例など、圧倒的に多くの情報を得ることができます。この情報量の差は、問題解決能力や開発効率に直結し、エンジニアとしての成長スピードにも大きな影響を与えます。英語力があれば、グローバルな技術コミュニティの一員として、最先端の知識や実践的なノウハウを取り入れながら仕事ができるのです。
弱み
- 数学や専門知識・技術の前提知識がない状態からスタート
- 低レイヤーの技術理解
- 数学や専門知識・技術の前提知識がない状態からスタート
- 論理的な思考力や基礎的な数学知識がベースとして求められることが多いです。文系出身者は、特にアルゴリズムやデータ構造、計算論理などに苦手意識を持ちやすい傾向があります。
- 低レイヤーの技術理解
- ネットワークプロトコルやOSの仕組み、メモリ管理などの「しくみレベル」を学ぶ機会が少なかった
ひとりごと
もちろん、理系に比べて文系は学生時代に数学や専門知識を学ぶ機会が少なく、前提知識がないため、スタートが遅くれますが、その分、コミュニケーション力など文系ならではの強みで勝負できます。配属先の周り全員が理系だったこともあり、その際は技術のみで勝負するのではなく、みんなが持っていない異なる(文系)スキルで活躍を目指していました。
技術は常に進化し続けるので、学生時代に学んだことだけではなく、常に学び続ける姿勢を持ち、異なる(文系)スキルで勝負していけば良いと思います。
これからは「専門性のスキル ✖️ 何かのスキル」を持っている人は人材希少社会で強い時代です。
結論:こんな人におすすめ!
以下を “できる” or “したい” と思える人に文系からエンジニアをおすすめします。
- 知的好奇心が強く「なぜ?」を追求できる人
- 変化を楽しみ、新しいことを学び続けられる人
- 自分で調べて試行錯誤することが苦にならない人
- 地道な作業をコツコツと継続できる人
- チームでの対話と協力を大切にできる人
- 文系の強みを「武器」として活かしたい人
- 学習を「習慣化」する仕組みを作れる人
- 知的好奇心が強く「なぜ?」を追求できる人
何か問題発生時に根本原因を探ったり、
身の回りの便利なシステムの仕組みが気になったり、
「もっと良い方法はないか?」と常に改善策を探求することが好きな人。
- 変化を楽しみ、新しいことを学び続けられる人
進化の速いIT業界において、トレンドや新技術を追いかけることに興味がある人。変化を恐れず、自らのスキルをアップデートし続ける学習意欲がある人。
- 自分で調べて試行錯誤することが苦にならない人
問題や課題に直面した時、すぐに誰かに頼るのではなく、まずは自分で情報を探したり、粘り強く試行錯誤することが好きな人。
- 地道な作業をコツコツと継続できる人
プログラミングは、小さな成功と失敗を繰り返す地道な作業の連続です。目標に向かって一人で集中して作業を進めることに達成感を感じられる人。
- チームでの対話と協力を大切にできる人
現代の開発はチームプレーが基本です。自分の考えを分かりやすく伝え、相手の意見を尊重し、チーム全体で目標に向かうコミュニケーション能力がある人。あとは単純にコミュニケーションが好きな人。
- 文系の強みを「武器」として活かしたい人
論理的な文章力や、ビジネスの背景を理解する力など、文系で培ったスキルを「技術」と掛け合わせることで、独自の価値を発揮したいと考えている人。
- 学習を「習慣化」する仕組みを作れる人
一人での学習が続かない場合でも、コミュニティに参加したりSNSで進捗を報告したりと、自らを律して継続できる仕組みを主体的に作れる人は、着実に成長できます。
ひとりごと
文系からエンジニアに向いている人を書きましたが、決して“全部できなければダメ”ということはありません。 実際の現場で、技術力以外でこうしたスキルをいくつか持っている人が「評価されたり」「信頼されたり」しているなと感じる内容を書きました。
人にはそれぞれ得意なこと・苦手なことがあります。上記の中で「これは自分に当てはまりそう!」と思えるものがあれば、それはエンジニアへの大きな武器になります。 文系で培った力を活かしながら、新しいことに挑戦したい、成長したい――そんな思いがある人こそ、これからの時代のエンジニアとして活躍できるはずです。
「自分にもできるかも」と感じた方は、ぜひ一歩踏み出してみてください!
向いていない人の特徴
- 新しいことを覚えるのが苦手で、勉強し続けたくない人
- わからないことを自分で調べるのが嫌いな人
- 細かい作業や確認が苦手な人
- エラーや問題に直面したとき、すぐ諦めてしまう人
- 「理由」や「仕組み」にあまり興味が持てない人
- 一人でコツコツ取り組むのが苦手な人
- 人とのコミュニケーションが面倒だと思う人
- 物事を計画的に進めるのが苦手な人
- 新しいことを覚えるのが苦手で、勉強し続けたくない人
ITの世界はどんどん進化します。スキルアップや新しい知識を身につけるのが面倒だと感じる人には、少し大変かもしれません。
- わからないことを自分で調べるのが嫌いな人
「調べるより、すぐ誰かに聞きたい」「知らないことにあまり興味がない」という人は、エンジニアの仕事を楽しめないことが多いです。エンジニアは業務中調べることが多くあります。
- 細かい作業や確認が苦手な人
ちょっとしたミスが大きなトラブルにつながることもあるので、地道で丁寧な作業が苦手な人には向きません。プログラミンは丁寧にキレイに書かないと他の人に共有ができません。また、自分で数ヶ月後に見直した際もどこにどんな内容が書いてあるのかがわかりにくいです。
- エラーや問題に直面したとき、すぐ諦めてしまう人
何かうまくいかない時に「もう無理」「面倒だ」と感じて諦めやすい人は、成長しにくいです。逆にエンジニアを通して、課題解決能力がアップしたという人もいます。
- 「理由」や「仕組み」にあまり興味が持てない人
「このシステム、どうしてこう動くんだろう?」という疑問を持てないタイプは、課題を深く考えるのが苦手かもしれません。
- 一人でコツコツ取り組むのが苦手な人
ある程度、パソコンに向かって一人で作業する時間はあるため、「集中が続かない」「すぐ飽きてしまう」人は続けづらいです。
- 人とのコミュニケーションが面倒だと思う人
チームで作業したり、説明したり相談したりする場面も多いので、「人と関わりたくない」「伝えるのが面倒」と思う人は壁を感じやすいです。
- 物事を計画的に進めるのが苦手な人
自分の進捗を管理したり、期限を意識したりする必要があるので、「なんとなく流れに任せたい」タイプは苦戦しやすいです。
ひとりごと
エンジニアに向いていない人の特徴を挙げましたが、プロのエンジニアでも、これらをすべて完璧にできている人ばかりではありません。むしろ、最初は苦手なことが多くても、最後まで諦めずにやり抜く人こそ、よいエンジニアへと成長している印象です。 これはエンジニアだけに限らず、あらゆる物事に共通して言える大切な姿勢だと思います。
エンジニアとして右も左も分からない最初のうちは、まず「自分で調べて解決する力(検索能力)」を身につけることを意識してみてください。 この力があるだけで、エンジニアとしてのスタートラインはぐっと広がります。
筆者のひとりごと
文系出身者がエンジニアとして活躍できる現実
文系出身でもエンジニアとして十分に活躍できる現場は、実際にたくさんあります。
もちろん、理系出身の人が多く、自分の技術力に不安を感じることもあるかもしれません。しかしエンジニアという仕事は、個人プレーだけでなく、チームでの協力がとても重要です。そのため、文系出身者ならではの「コミュニケーション力」「論理的な文章力」「全体を見渡す力」など、技術以外の強みが大きな武器になる場面は少なくありません。
学歴バックグラウンドの多様性
実際の開発現場では、理系出身者の中にもプログラミング未経験者や情報系・機械系など専攻分野も様々です。また、大学で学んだ内容と実務で必要とされるスキルには意外とギャップがあります。だからこそ「自分は文系だから…」と自分の可能性を制限せず、前向きにいろんな挑戦することが将来の選択肢を広げる第一歩となります🌟
キャリアパスの柔軟性
特に日本の企業では、キャリアが進むにつれてプログラミングよりもマネジメント(管理業務)のお仕事が増える傾向にあります。現場で技術を極めたいと思っていても、昇進に伴い管理職としての役割が増えていく実態があります。時には、技術部門以外から昇進してエンジニアチームをマネジメントするケースもあります。
このような環境では、技術の最先端を極めることだけがキャリアの選択肢ではありません。むしろ、文系的なスキルを基盤としながら技術知識を身につけ、「技術を理解したマネジメント層」を目指すというのは現実的で価値ある選択肢だと思います。
※海外では技術職として昇進を続けるキャリアパスもありますが、そこでもマネジメント能力は求められます。
AIと共存する時代のエンジニア像
「AIによってプログラマーの仕事がなくなる」という声もありますが、現実はそう単純ではありません。AIが単純なコーディングをすることはありますが、システムの設計や複雑な構造の理解など、本質的な部分は依然としてまだまだ人間の領域です。
技術を理解していれば、プログラミング能力はAIで補うことも可能になっていくのは確かだと思います。
未来を見据えたキャリア戦略
これからは世界のトップエンジニアの技術力だけではなく、「技術とビジネスの両方を理解し、橋渡しができる」人材も求められるでしょう。技術知識とビジネス感覚を掛け合わせることで、組織内でも独立してからも、様々な場面で価値を発揮できます。
れからは、ますます「個人としての価値」が求められる時代です。
「社会でどんな人材が求められているのか」を考えながら、自分なりのキャリアプランを描いてみてください。
次は「文系からエンジニアになるためのロードマップ」の記事へ、いってらっしゃい!
次のステップ
「まず何から手を付ければいいか」知りたい方は、こちらの記事へ▼
▶︎ 【文系からエンジニアになる3か月ロードマップ】
IT企業の研修のような、エンジニアになれなくても3ヶ月学ぶだけでもどの業種でも生きるような内容になっています。
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